何がそんなに気に障ったのかわからない、けれど謝らなければ、と思った。
謝って、まだ一緒に過ごすことを許してもらいたい。そう考えるくらいにはケイに夢中だった。

ドアを開け、テーブルにつく。
いびつな形のオムライスに、涙が出そうになった。

…久しぶりだわ、誰かに食事作ってもらうの。

目の前にスプーンが置かれ、向かいにケイが腰を下ろした。

けれどその後一緒の食事では、いつもと変わらない様子のケイに安心して、結局何も言わなかった。

「おいしい?蝶子さん」

子どものような笑顔で食べる姿を見つめられるのは少し気恥ずかしい。
だけど、それが安心へとつながった。
大丈夫、ケイは何も感じていないし、感じようともしていない。

本当は意識してほしい。
これ以上、虚しいだけだろうことも気付いている。
それでもそばにいたいと思ってしまうあたり、すっかり毒されてしまった。

…けれど、それさえ叶わなくなってしまう。

ケイが、帰ってこなくなった。