sweet memory ~奏大side~





それから車は会社に着いた。









「淳平」

「ん?」

「花菜の迎え、頼んだ」

「はいよ~。今日は帰り8時くらいか?」

「あぁ…。来週末くらいからは忙しくなるから、そんなに早く帰れないだろうけど、それまでは8時くらいには帰れると思う」

「そっか…」

「それがどうした?」

「ん?いや、別に何でもない」








そういうと、淳平は車から降り、後部座席に向かった。
そして、ドアを開けたのであった。



淳平の意図がわからない質問に、奏大は眉間に皺を寄せていた。
そんな奏大の様子に気付きながらも、淳平は仕事モードで奏大に話し掛けた。









「副社長、いってらっしゃいませ」

「………」








奏大はイラつきながら、そのまま降りて行った。
そんな奏大の後ろ姿を、淳平は苦笑いしながら見送っていた。