最初の2年は、副社長という肩書きを秘密にしながれ、営業で成績を上げることに必死になって働いていた。
3年目からは、周りから色々仕事を頼まれるようになり、営業課のエースと呼ばれるようにまでなっていた。




入社して4年目の春。
ようやく、周りにも認められ副社長という立場を発表した。



まさか、3月まで一緒に働いていた男が社長の一族であり、副社長に任命されるとは思いもよらなかったようで、戸惑う者もいたようであったが、奏大の働きぶりを知る者は、納得しているようにも感じた。