一方、奏大達はというと、応接室へと移動をしていた。
「なぁ、あのぬいぐるみってさ奏大が買ってやったやつだろう?」
「あぁ、そうだ」
「やっぱり?俺の記憶力すげー」
「……アイツは誰が買ってくれたものか覚えているのか?」
「いやあの頃の記憶は覚えてない」
「そんなんで結婚するって俺にはてできないな~。なぁ、奏大。このこと花菜ちんには話しないの?」
「話すつもりはない」
まさか、閉めたはずのドアに隙間が空いており、話している内容を花菜に聞かれていたとは、誰も気付いていなかった。
そして、聞こえてきた会話が途切れ途切れであった為、何の話か花菜には全くわからなかった。

