次の日。
奏大は花菜のことを抱き締めたまま眠っていた。
どうやら花菜の方が先に起きたようで、ベッドの中で何やらモゾモゾとしていた。









「………どうしよう…」

「何がだ?」

「あ、奏大さん。……おはようございます」

「あぁ…。それより、何を困っていたんだ?」

「目が覚めたら奏大さんに抱き締められていたのでビックリしちゃって…」

「…すまなかった」

「いえ、ビックリしただけで、嫌ではないです」

「…そうか…」








奏大はつい昔の癖で花菜のことを抱き締めながら寝てしまっていた。
そのため、先に起きた花菜が驚いてしまったのであった。
何の違和感もなく行った自分の行動が、花菜を驚かせてしまい、失敗したかと奏大は悩んでいた。