「ピアス?」 「あぁ…」 「…でも、片方だけ?」 そう。 中に入っていたのは、片方のピアスだった。 奏大は理由があって、花菜に片方だけのピアスをプレゼントしたのであった。 「あぁ。もう片方は俺がつけてる」 「あ、本当だ。気付かなかった…。でも、何で片方だけ?」 「片耳のピアスは昔から言い伝えがあるんだが…知っているか?」 花菜にピアスの言い伝えについて問い掛けると、奏大は語り始めた。