「到着っ!」 「…花菜。俺の側から離れるなよ?」 「うん」 「それから、万が一何を言われたとしても気にするな」 「えっ?」 「この世界は欲深い奴らばっかりだからな…。花菜を傷つけるような奴らがいるかもしれない。けど、俺が選んだのは花菜だ。これは政略結婚なんかじゃない。自信を持って胸を張って、前へ向いていれば良い」 「うんっ!」 車を降りると、奏大は花菜の腰に手を回し、エスコートしながら会場へと入っていった。 会場に入ると、既にたくさんの人で会場を埋め尽くしていた。