「奏くん?」
「似合ってる…」
「本当?」
「あぁ…」
「嬉しい。奏くん、こんな素敵な着物をありがとう」
「あぁ…気に入ってもらえて良かった」
「さて、淳平もそろそろ着いただろうし、行くか」
創が声を掛けると、3人は家を出た。
駐車場に行くと、既に淳平が待っていた。
「おぉー!花菜ちん、その着物似合うじゃん」
「ありがとう、淳くん」
「さっすが奏大!」
「…さっさと車を出せ」
「はいはい。相変わらず冷酷副社長だこと。少しは花菜ちんへの優しさを分けてほしいくらいだよ」
ブツブツ文句を言っている淳平だったが、この後、奏大によって腰に蹴りを入れられ、あまりの痛さにしばらく動けなくなるだなんてこの時は誰も予想していなかった。

