「創くん?」
「良いから画面見てみな」
「うん…」
花菜は言われるまま、奏大の携帯を触った。
仕事用の携帯の待ち受け画面を見て驚きの表情で奏大を見た。
花菜が言いたいことが奏大には分かっていたのか、顔を赤くして横を向いてしまった。
それから花菜は、また手元の携帯を見つめ、今度はプライベート用の携帯の待ち受け画面を見た。
そこには、先程とは違う画像ではあったが、どちらも花菜の画像が待ち受け画面に設定されていたのだ。
花菜は驚きの表情のまま、創の事を見た。
「それが奏大の秘密。仕事用の携帯のプリクラ、見覚えがあるだろう?」
「あかねちゃんとりっくんと寄り道して帰った時の…」
「そう。あかねが俺に送ってきたから、奏大に見せびらかして遊んでたら奏大が送れって脅してきてさ~…」
「創!」
「本当の事だろう?あっ…ちなみに、プライベート用の待ち受けは、花菜がここに初めて来た日に寝ている所を盗撮したやつらしいぞ」
「奏くん…」
「いや~…愛されてるな」
創の言葉に、花菜は涙を流していた。
まさか、花菜が泣くとは思ってもいなかったので、奏大も創も驚いていた。
奏大は花菜の両脇に手を入れると、そのまま抱き上げ、自分の膝の上に座らせた。

