「良いだろう?花菜の為にも、教えてあげた方が喜ぶ」
「どういうこと?私…ちゃんと知りたい…」
花菜は奏大と向き合い、話をしてもらえるようにお願いをした。
奏大は花菜の訴えに、溜め息を付くと話始めた。
「昔から俺には花菜しか考えられなかった。だから、例え花菜に記憶がなくても、一からやり直すつもりで、去年の今頃から準備を始めていたんだ」
「…怖くなかったの?私が結婚を嫌がるとか考えなかったの?」
「考えなかった…と言えば嘘になるが、そんなことよりも花菜と一緒にいたい気持ちの方が強かった」
「奏くん…」
「俺の決意の証として、創から聞いた花菜の情報を元に、着物や指輪をデザインしてもらった」
「そうなんだ…。私、ずっと不思議だったの。皆がこの指輪は予約半年待ちだって言ってたから…」
「…不安にさせて悪かったな」
「ううん。話を聞けて嬉しい」
「なぁ、花菜。奏大の秘密教えてやろうか?」
「秘密?」
そう言うと、創は奏大の内ポケットを探り始めた。
何をしようとしているのか理解出来た奏大は、慌てて止めようとしたが、時既に遅し。
創の手に奏大の携帯が2つとも握られていたのであった。
創は2つの携帯を花菜に手渡した。

