「あっ…私ね…記憶が戻ったの」 「嘘…奏兄…」 「あぁ…」 「そっか…。良かったね、花菜」 「ありがとう」 政略結婚だと聞かされていたこの婚約が、実はお互いが好きで約束されていた物だと分かり、穂波は自分の事のように喜んでいた。 それかしばらくして、検査の為に淳平の父親が病室に来るまで、和気あいあいと過ごしていた。