「全く…あれほど目が覚めたらナースコールしろって言ってあったのに…」
「すみません…」
あれ程、目が覚めたらナースコールをするように言われていたのに、花菜が目覚めたことが嬉しくてすっかり奏大は忘れてしまっていたようだった。
余程、さっきまでの自分に余裕がなかったんだろうなということを自覚した奏大は、もう苦笑いするしかなかった。
「それで、花菜ちゃんの体調はどうだね?」
「大丈夫です」
「そうか…。まぁ、今日はもう遅いし、検査は明日行うとしよう」
「はい」
そう言うと、最低限の質問をした後、院長先生と看護士は病室から出ていった。

