話が終わると、奏大は副社長室へと帰って行った。
部屋に行くと、創がパソコンで作業をしていた。
「おかえりなさいませ。社長との話は何だったんですか?」
「……社長というよりは、会長…親父が呼び出したらしい」
「会長が?」
「あぁ…。花菜のことについて聞いてきた」
「花菜のことを?何故?」
「誰からか花菜が入院をしたことや、意識が戻らないことを聞いたらしい」
「そうか…。きっと会長に伝えたのはうちの親父ではないかと」
「だろうな。俺の花菜に対する気持ちを確かめてきた」
「で、副社長は何て答えたんですか?」
「……それは秘書として聞いているのか?それとも、花菜の兄貴として聞いているのか?」
「親友としてっていうのは考えなかったのか?」
「ふっ…さぁな。俺の親友なら、何て答えたのかぐらい想像できるだろう?」
そう言うと、奏大はそれ以上何も答えなかった。

