「奏大くん、どうしたの?呼び出しだなんて…。あっ、もしかして、さっきのことを考えてくれたのかしら?」
「……回りくどいのは好きではないから、単刀直入に聞く。一体、花菜に何をした」
「……花菜?」
「一度会ったことがあるだろう?俺の婚約者だ」
「っ…えぇ、奏大くんに婚約者がいるのは知っているわ?だけど、私と奏大くんの彼女はあの時に会って以来、会ったことはないわよ?変な言いがかりは止めてほしいわ」
「……」
「あっ、もしかして婚約者の彼女が私に何かされてるって言いつけたのかしら?嫌ね、最近の若い子って平気で嘘をつくのね。奏大くんもそんな相手、婚約者だなんて嫌でしょ?今からでも婚約を解消したらどうかしら?」
「……」
「お前っ!さっきから黙って聞いていればっ…!」
「淳平、黙ってろ」
「黙ってられるか!花菜ちんがこんな風に悪者扱いされて、何処に黙ってられる奴がいるんだよ!っておい!創、離せ、」
創は淳平の両脇を抱え、そのまま元いた場所へと座らせた。

