「奏大…大丈夫か?」 「……あぁ」 「悪い、俺がちゃんと野上麻衣が花菜ちんに接触してきたことを奏大に伝えていれば…」 「お前のせいじゃない」 「けど…」 「あの時こうしていれば…っていうのは、結果論であって原因ではない。全ての元凶は俺だ」 「奏大…」 淳平は何と言ったら良いのかわからず、そのまま黙り込んでしまった。 どのくらい沈黙が続いたのだろうか。 時間にしてそれほど経っていないとは思うが、車内の空気が重たく、10分くらい沈黙が続いているように淳平は感じていた。