「奏大っ!」








それは創だった。
創の様子から、只事ではないと予想がついた。









「大変だ。花菜が倒れて病院に運び込まれたらしい」

「倒れた?」

「あぁ。安藤総合病院に運ばれたらしいから、俺達も向かうぞ」

「わかった」

「淳平には、表に車を回すように伝えてある。…って、何故ここに野上麻衣が!?」








余程、花菜が倒れたということに動転していたのだろう。
創は今、この場に野上麻衣が居ることに気付いたのであった。








「何か忙しいみたいだから、今日は帰るわ。だけど、奏大くん。さっきのこと考えておいて」








そう言うと、野上麻衣は副社長室から出て行った。