sweet memory ~奏大side~






「ふぅ~…」

「奏大、お疲れ様」

「あぁ。創も悪かったな」

「まさか会長に、北海道を視察してこいって言われるとはな…」

「しかも、ホテルと観光地の市場視察だなんて…一体何を考えているんだか」

「ホテル産業にでも乗り込む…とか?」

「さぁな。まぁでも、その可能性も無くはないな。先月も弘兄が九州に一週間出張に行かされてたしな」

「へぇ~…会長自ら企業拡大を考えてるとはな…。てっきり弘大さんに実権を譲ってるとばかり思ってたけど」

「いや、父さんは陰に隠れてるけど、まだまだ現役だ。今回のプロジェクトだって、会長の一声が無かったら、きっとフラワーボックスを西條グループからは販売されなかっただろうな」

「俺たちもまだまだってことね」

「あぁ。でも、いつかちゃんと弘兄のことを支えられる副社長になって見せるさ」








そう言った奏大の目は、とてもやる気に満ち溢れていた。