久しぶりに会う花菜。
緊張しないわけがない。
普段からあまり自分から会話するタイプではないが、今日は緊張からか、一段と無口であった。
そんな奏大の心情を知ってか知らずか、奏大の母瑞穂はロビーで奏大を見つけると駆け寄り、問い掛けた。
「ねぇ、奏大。貴方が結婚したいという女性だから、別に心配はしていないんだけど、どういう方なの?お会いする前に、少しは知っておかないと…」
「彼女は秘書の…雨宮創の妹だ」
「あらまぁ!」
「それ以外のことは、今はまだ話せない…」
「何か理由があるのかい?」
話の様子を見守っていた父大樹が、2人の会話に入ってきた。

