指輪を付け出してから一週間が過ぎ、騒ぎ立てられることもなく、平穏な日々を過ごしていた奏大。
奏大の取り巻く環境も変わりつつあり、いわゆる奏大信者の数も減少傾向にあった。




それはやはり、指輪の効果というべきであろうか。
奏大が指輪をしたことにより、今までもしかしたらという少ない可能性を信じて、奏大に想いを寄せていた女子社員達の中にも、ようやく現実を見ようとし始めた者が出てきたようだ。
その為、奏大信者の数も、今までの半分程度まで減少したのであった。




そんな状況に喜んでいるのは、奏大だけではない。
男性社員にもそれは喜ばしい出来事であり、今まで相手にされてこなかった社員が、急にモテ始めたのであった。
手の届かない遠くの存在より、近くの存在ということであろうか。
もう既に、この一週間で成立したカップルがいくつかあるようだった。