あの日の出来事が当事者以外にも心の傷を負ってしまったことに、奏大も心を痛めていた。 そんな奏大の小さな表情の変化を見た淳平は、慌てて口を開いた。 「んな顔するなって。もうあんな思いは二度とさせねーよ。奏大にも花菜ちんにもな」 「あぁ…。今度こそ花菜を幸せにしてやるって誓ったんだ。当たり前だろう?」 「クスッ…それでこそ奏大だよ」 それからあっという間に奏大の住むマンションに着いてしまった。