「さて、引き止めて悪かったな。帰るんだろ?」 「あぁ…」 「副社長、今日もお疲れ様でした」 「…また明日」 そう言うと、奏大は副社長室を出て行った。 ロビーへ行くと、既に淳平は待機していた。 「お疲れ様でした」 「…あぁ」 そう言うと淳平は後部座席のドアを開け、奏大が乗り込んだのを見計らうと、ドアを閉めた。 そして、自分も車に乗り込むと、淳平は口を開いた。