「何でそんなに機嫌が悪いんだ?」 「……」 奏大は答えることなく、脚と腕を組み、そのまま目を閉じてしまった。 そんな奏大の代わりに、事の真相を知っている創が口を開いた。 「さっき、社員が奏大の指輪に気付いたみたいなんだ。そしたら、周りで色々言ってる社員がいて、ああなったってわけだ」 「成る程ね~…。まぁ、でも遅かれ早かれ、社員は気付くだろうし、指輪効果で奏大信者も減るんじゃねーの?」 「……」 「だと良いけどな…」 創は、今後何も起こらなければ良いなと密かに思っていた。