恋愛論




…え?


あっという間に床に倒される。


凌が上から微笑みながら言う。


「密室に二人。もう限界」


少し強引なキス。



あたしのシャツの釦に手を掛ける。


「ちょっと…凌!人が来たらどうすんの!?」


必死に抵抗するけど凌は聞かない。


嫌だ。


思い出すのは初彼の先輩と。


いつも優しく抱いてくれた由宇。


「嫌だってば!」


無理矢理突き放して、荷物を持って出口に向かう。


走ったけどすぐに追い付かれ、腕を掴まれ強引にキスされる。


「俺達付き合ってるんだろ?」


凌の顔には悪意は見られない。


けど。


「……由宇!!」


思わず口に出してしまったのは由宇の名前。


今更何の意味もないのに。


自分から手放したくせに。


助けて……由宇。


「凌、だろ?」


もう一度、強引なキス。


「早紀は今、俺のなんだから」


凌の気持ちはすごく伝わってくる。


「好きだよ、早紀」


そう言って壁に追いやられ、服を捲られる。


「ヤだ!!………由宇!!」