恋愛論



やりにくい。


レポートをまとめてる間中ずっと凌が見てる。


「凌、何でそんなに見るの?」


あたしが聞くと凌は笑って応える。


「やっぱり早紀は綺麗だなぁって思って」


よく恥ずかしがらずに言えるな、そんなこと。


「集中できない」


一言そう言うと、凌は隣のパソコンで遊び始める。


掴めない人。


あたしなんかのどこが良いんだろう。


「終わりっと…」


あたしがそう呟くと、凌が聞いてくる。


「提出何時?」


「六時」


凌は時計を見て微笑む。


「余裕だね、一時間以上あるし」


「うん、まぁ」


時計を見るとまだ五時前。


パソコンの電源を切って立ち上がる。