嫌いになれなくて...

「金曜、お前と話した後
何か聞き覚えのある声がしたと思って振り返ったんだ
そしたら柚乃っぽい奴がいてさ
その横に遙のヤローみたいな奴もいただろ
初めはまさかと思ったんだ
けど、アイツに睨まれた瞬間
あぁってなったわ
だからすぐお前に確認しようと思ってメール打ったけど返ってこねーし...」

そこまで言って蒼は口を閉ざした
私の言葉を待っていたのかもしれない

私が黙ったままでいると

「だから確認するために放課後、柚乃ん家行ったんだ
向かってる途中で帰ってる途中の柚乃とアイツ見つけて
柚乃に声かけようとした
けど、アイツら手繋いで仲良さげに話しながら帰っててさ
アイツら中学ん時から仲良かったけど
あそこまでじゃなかったろ?
だから付き合ってんだなって思って
その日はどう帰ったのか覚えてねぇ
気付いたらベッドの中でただただ天井だけ眺めてた」

確かめに行ったのか...
意外と行動力あるよねー本当
けど、付き合ってることもバレるなんて

「金曜、帰ってからさっきまで
何も口にせず、ずっと天井だけを見てた
てか、気付いたら今日の昼だった
気持ち切り替えようと思って外出て
気付いたらお前ん家のインターフォン鳴らしてた」