ピアスの数は傷の数



そして私はまたいつものように
君の気をちょっとだけでも引こうと頑張るのだけど、緊張しすぎて何もできず

君が乗ってきた駅から二駅で降りる。

今日こそは目がちょっとでも合えばいいなって思っても、
実際は合っちゃったら緊張しすぎてどうしていいかわからなくなっちゃうから
ずっと下向いたままでいつも何も起こらないまま終わってしまう。

だから今日は、目を合わせるんだ。
がんばってちょっとでも貴方の視界に入りたい。


予想道理、二駅で貴方は乗ってきた。
秀英高校の制服を身に着け、
眼鏡を調整しながら乗ってくる。

お、来たぞ星羅。
頑張るんだ星羅。
頑張れ自分。

彼は左右席がないか確認し
反対側の席に腰をかけた。


ってえ。
失敗じゃん。
目合わせられないじゃん。

反対側に自分も座ればよかったなと
後悔で頭いっぱい。