「どうしよう。
とりあえず、お母さんに電話・・」


「虎谷理葵」


「へっ・・・?」




なにがなんだか分かんなくて
とりあえずお母さんに電話を
しようとしていたら、急に
後ろから名前を呼ばれた。


びっくりして振り向くと




「ちょっと校長室に来てくれる?」




あたしよりも背が低くて、
可愛い感じの男子がいた。




「なにも聞かされてないん
でしょ?教えてやるから
黙って俺と一緒に来て」


「は、はい・・・」




よく分かんないけど、
言われた通りついて行く。




「俺、鈴野 夏向(すずの かなた)」


「あ、あた」


「知ってる。虎谷理葵。
男嫌いの女好き、だろ?」


「えっ・・・
なんで知って・・」


「着いたよ」


コンコンッ


「失礼します、鈴野です。
虎谷理葵を連れてきました」