どうやら、あたしが通う予定だった
高校は、お金がかかるらしい。
母は、お金がかからない女子校を
探したらしい。
そして、あっさり見つかったので
あたしに許可なく高校を変えた
ということだ。
「…女子校なら別にかまわないけどさ、
ここの名前聞いたことないんだけど」
「大丈夫よぉ。最近出来たばっかりで
生徒募集中だったみたいよ」
「…ならいーんだけど。」
ほんとに聞いたことないな、
ここの学校…。
『夫凛素高校』って書いてあるけど
なんて読むんだろ。
「ねぇお母さん、
ここなんて名前の高校?」
「…あ、ごめん、ちょっとトイレ!」
そう言って母は、逃げるように
リビングから去っていった。