これは、土方が時雨に出会う数分前のお話。
《土方side》
ったく………。
総司の野郎……………。
半紙と墨無駄遣いしやがって!!
それで俺が使うのに足りなくなったわけで、
今俺は京の町へ出かけている。
そんな時、どこからか罵声が聞こえてきた。
うるせぇな…………。
仕方ねぇ、新選組として粛清しに行くか……。
声の発信源を探して其処へ行くと、
三十くらいのじじぃと
十代くらいの少年がいた。
その少年を見て吃驚した。
物凄く整った顔をしていたからだ。
それに、傷のない真っ白な肌、
パッチリとした二重の瞳、
プルプルの唇。
女装したら女でも通用する程だった。
どうやら話している内容では、じじぃの方が
一方的に悪いらしい。
くだらねぇ言い合いするくらいなら
他でやってくれってか。
仕方ねぇ、止めるか………。