やっと静寂が訪れた。 男は二人とも倒れこんでいる。 あと、雪継も。 さすがに少しやりすぎてしまったかな、と思った。 稽古で平助を蹴っ飛ばすぐらいに本気で蹴ってしまったから。 「そんなことより、左之さんの言う通りだな。」 そう、僕が真剣を持っていなくてよかった。 僕が持っていたならきっと、死人がでていた。 きっと。 僕はスッとその茶屋を出て行った。 小春ちゃんが雪継に駆け寄るのを横目に見ながら。