「だから俺は父親に会ったことなんてないし、普段苗字なんて名乗らない。剣は習いには行ってるけどな!」
その時、茶屋の中の方で大きな物音がした。
外の椅子でみつ豆を食べていた僕らには一体何が起こったのかわからなかった。
とにかく、雪継と僕は店の中へと急いだ。
「…なんだ、これ。」
雪継は力なくそう言ったけど、僕は何も言うことはできなかった。
机と椅子はぐちゃぐちゃで、ひっくり返されている。
そして掴みあっているおっさんが二人。
何が起こっているのかだいたいは予想がつく。
「お、お客さんここで喧嘩するのは困ります!」
小春ちゃんがそう言って止めようするけど見事に払い飛ばされた。

