「うお!なんだ、総司すげえ機嫌が悪そうだな!」
左之さんが道場に入り、僕の顔を見るなりそう言った。
僕、座ってるだけなんですけど。
「左之さん真剣買ってよ。」
「さっきからずーっとこんな状態なんだよ。」
平助と木刀を合わせながら土方さんは言った。
「はあ…真剣は武士しか持てねえんだよ。それにお金がいる。」
「僕、武士の子だよ。」
お金は…どうにかしてもらいたい。
「それにお前はまだ幼すぎる。」
「僕、もう16なんですけど。」
ほんと子ども扱いにはうんざりする。
僕はもう子どもなんかじゃないし、剣だってもう塾頭であるほどだし。

