そう言う結城に興奮しながら返す本間。
だけど、秋人は。


「あー…うーんと、俺いいや」

「え?あっきーが?何で?」

「ちょっとね」

「まじかよー、秋人、清女だぞ、清女」

「うん、清ちゃん、新ちゃん、ごめん。二人で行ってきて」

「わかった、あっきー。後悔するなよ」

「あはは、するかもね」

「俺、しーらね」


そんな会話が私を挟んでされていた。
だから、モロに聞いていた。


まさか、秋人が行かないだなんて。
それにびっくり。

会話に混じる事無く、私は秋人を見つめる。
その時、授業を知らせるチャイムが鳴った。



「あー。もうチャイム鳴った。はやーい。
愛ちゃん、今日一緒に帰ろーね」

「え」

「帰ろーね!」

「…うん」


私の手を取ると、有無を言わさない感じで秋人が言うから思わず頷いてしまった。
登下校、一緒にいるとか。

幼馴染とかでもないし、恋人でもないのに。

秋人の考えてる事がわからない。