「…ついてない」

「嘘、俺見たもんね。明らかしょぼんとしてたもんね」

「…うっさい、ハゲ」

「ハゲっ!酷いっ」

「ぶは、ハゲ」


それに吹き出したのは、後ろにいた本間。
トイレか何かか、結城の姿はない。


「秋人、愛ちん気に入り過ぎ」

「はあ?辞めてよ、本間。そんな事言わない…」

「うん。俺、愛ちゃんお気に入りだよ」


本間がふざけた事言うから、即否定してやろうとしたら秋人にそう遮られた。


「だから、新ちゃんにもあげないの」


秋人は笑いながら、私の頭をぎゅうっと抱き締める。
その瞬間、クラスで悲鳴なのか、黄色い声なのか、わからないが大きな声が上がった。


血の気が引く。本日二回目。


「雪村。二日目にしてモテ過ぎー」

「ひゅー」


ふざけた野次を飛ばすのは、窓際男子達。


まだ硬直する私。
本間も何も言えないみたいだ。