「愛、今度迎えに行くから流そうぜ」

「?はい」

流すって何。
何を流すの?

「はーじゃあ、今日は新一とじゃれるか」

とか言いながら秋人の部屋へ向かう麗さん。
なんて切り替えの早い。


…ともかく…助かりました。


秋人は正座していた足を崩すと、私を上目遣いで見る。


「…遅くなってごめん」

秋人は申し訳なさそうに頭を一度下げる。
…急に何。


「いや、…平気」

思ってたよりかは麗さん、優しかったし。
まあ、私が結城を好きでない前提だからだと思うけど。


「俺、送るから行こう」

「え?他の三人は?」

「いいよ、今姉貴いるし」

「ああ、そうか」

とにかく、早く家に帰りたいと思っていたから私は秋人の提案に頷く。


日本家屋を出た私は、

「はああ?」

またそう言葉を出していた。


「後ろ乗って」

「……い、嫌です」



そう言っていた秋人が乗っているのは、原付バイク。
いやね、16で免許は取れるし。
別におかしくないよ?