「誰!?」
「転校生?」

なんて、声があちらこちら。

…ふ、不安だ。

そこに。


「あーーーーーー!!!」


一際でかい声を出す人がいて。
そっちを見ると、私はあからさまに顔を歪めた。


「さっきの!!」

「………」


さっきの、チャラ男。
私の手を握って、職員室に連れて行こうとした…確か新一と言われていた男。


私とチャラ男を交互に見てから、先生は

「なんだ、結城と知り合いだったのか」

そう言った。

ん?
聞き間違い?


…ちょっと、待って下さい。
結城?

結城って、あのさっき先ほど会話をしていた…?


私が口を開けながら、先生を訝しげに見るとにっこりと笑いながら

「さっき話した学級委員だ」

先生は耳を疑うようなことを言った。言いのけた。


「え、あ、あり得な…っ」

思わずそう言いそうになって、私は口を手で塞ぐ。

その声はばっちし皆さんに聞こえていたらしく。

女子の目線が急に鋭くなった。
ああ、やはりあの見た目じゃモテますよね。

既に変な汗が…。