「おい、ゴムそのままにしとくな」

「は?…あーーー!」


そう、瞬に机を指でさしながら言われて秋人は慌てて机に走った。

苦笑いしながら秋人は後ろ手に机に隠しているが。
私はばっちし、しっかり見てしまったよ。


その正方形の、包みに入ったそれ。
避妊具と呼ばれているものでしょう。


「…さいってい」

「ち、違うんだよ、愛ちゃん!これは今日の合コンの為に…」

「………」

腕をパタパタ動かしながら否定する秋人だけども。

もしも、今日の合コンの相手と使おうと思ってたなら。

なお、最低なんですが。
彼はわかっていないんでしょうか?


冷めた目で私はなるべくベッドから遠い位置に座った。

秋人は気まずそうに肩をすくめて小さくなっている。
ベッドに座りながらちらちら私を見ているのがわかったけども、私はそれを無視した。


「なー秋人、お茶よろしく」

「俺も」


結城と瞬にパシられた秋人はコクコクと頷いた。


「なあ、今日姉ちゃんいない?」

「いないはず」

「…よかった」

「お姉ちゃんいるの?」

本間の言葉に引っかかりを覚えたが、秋人に姉がいることが予想外だったから私は秋人に尋ねた。