そして、抵抗する気なんかとうになくしてるのに腕を掴まれたまま連れて行かれたのは。


「………お、お屋敷?」

どでかいザ・日本家屋って感じの家。
門があって、その表札にあった名前は『安達』。

…安達?誰、安達って。
まあ、名字を知らないのは秋人か瞬だから、どっちかだろうけど。

でも、家の感じから言って瞬っぽい。


だけども。


「俺ん家」

そう、言ったのは金髪に茶色のメッシュを入れた髪の毛をさらっとさせて。
耳にシルバーのピアスをつけた、秋人だった。


「秋人の親、ここら辺の地主なんだよね」

付け加えるように言ったのが、本間。


ま、まじですか。
金持ち、身長高くて、顔がいいなんて、悪いとこないじゃないですか。
…いや、女たらしか。

ああ、最悪だな。一番の欠点だわ。


「まー入って」


そう言うのは結城。
お前の家じゃない。


勝手に門を開けて入る結城と本間。
それに私は付いて行く…、否、引っ張られる。