「えーっと、……」

「雪村です」

「あ、そうそう、雪村」


へへっと笑いながら品川先生は言う。
担任なのに、転校生の名前覚えてないのかね。


「うちのクラスは結構仲良しだと思うから、すぐ馴染めると思うよ。
結城がいるお陰なんだけどな」

「結城…?」

「ああ、学級委員をやってる結城。
少し問題ありだけど、それなりにやってるよ」

「そうなんですね」


…少し問題ありって何?
そもそもその問題ある生徒を学級委員なんかにするものなの?

先生、初日からとっても不安です。


「うちは校則厳しくないから、結構見た目派手な子もいるけど良い子ばかりだから」

……さっき、会った男の様な奴がうじゃうじゃいるのだろうか。

怖いんですけど。


「ここがうちのクラスね」


廊下を曲がった先に、2-Cと書かれた札が差さっている教室があった。
その扉に手をかけながら先生が言った。


先生が躊躇なくがらがらと扉を開ける。
それに私も続く。


騒がしい教室は私を見つけて、一層騒がしくなった。