「…皆、そこまで言わなくてもよくない?」

少し離れて歩く結城は一人でぶつぶつ呟いている。
…くどい。しつこい。うざい。ねちっこい。

思い切りしかめっ面をする私。


「何で転校したの?」


そんな結城に慣れているのか、本間は全く気にせず私に尋ねた。
その問いに狭かった眉間が広くなる。


「お父さんの転勤」

「あーなるほど。
元はどこだったの?」

「すぐそこだよ、関東だし」

「へーそうなんだ。
で、今度家に遊びに行っていい?」

「…何で?」

この流れで、どうしてそうなるの?
本当にこいつらの脳内は下しかないのか。


「え、だって面白そうじゃん」

「来ないでいい」

はっきりとそう言う私に、また本間はべこってへこむ。
それに秋人が続けた。


「愛ちゃんの家とか行きたいし!そう思うよな、瞬」

「…いや、別に」

「何、それ瞬カッコいい」

「…………」


何だ、この会話。
いつものことなのだろうか。

とにかく関わるのやめよう。


突っ込まないぞ、私は!