LOVE School Life Ⅰ【完結】

私はあははって笑いながら、結城から視線を逸らしつつ、早口で捲し立てた。
もちろん、結城の顔は笑っていないだろう。

でも、結城は合わせる様に

「だよなあ、あっきーと喧嘩したかと思った!ごめんごめん。
何かあったら言うんだよ?」

そうやって言った。


「え?愛ちん、喧嘩したの?」

「してないしてない」

「そうかー。でも、喧嘩したら俺も味方するからね。絶対秋人が悪いから」


本間、少しだけ話を聞いてやるって言う優しさはないのか。
一方的に秋人が悪者ってのも可哀想だぞ。


二人は手を振りながら頑張れって声をかけてくれたから、私も手を振り返す。


結城、ありがとう。
本間、まだ話せないけど…ちゃんと話すから。


私は二人の後ろ姿を見つめながら、心の中でそう思った。



二人の姿が見えなくなって、空が赤く染まって来た頃。


ぎゅうっと携帯を握り締めながら、私はただ秋人が来るのを待っていた。