一人で教室に入ると、すぐに私に気付いた結城が声をかけて来る。
秋人は、いない。


「ラブー!おはよー!あれ?あっきーは?珍しいね、一人?」

「…あ、ああ、おはよ」


秋人の事はスルーしながら、私は席に着く。
本間はいないらしい。


「清ちゃん、今トイレー。んで、ラブ。顔が暗いけど。テンション低いけど。
どうしたの?」

「別に。そんな事ないよ」

「そう?そうかな?俺、結構見る目あるんだけど」

「…見る目って意味が違うと思う」

「あはは。そうかもー」

「……」

「…あっきーと何かあった?」


まあ、でも。
いつもうざいぐらい一緒にいる秋人といなかったら、そう思うよね。

秋人はもう来ないと思う。


秋人の触れてはいけないとこに触れてしまったから。