「あはっ、暗くなっちゃったね。ごめんごめん」
秋人は俯く私に気付いたのか、慌てて明るい声色でそう言うけど。
「…いいよ、無理に笑わなくて」
無理矢理笑おうとしてる秋人なんか、見ていたくなくて。
悲しそうで、切なそうに笑う秋人なんか、見たくなくて。
私の口からは自然と、そう漏れていた。
「愛ちゃん」
「…知ってるんだ、秋人」
「え？」
「秋人の好きな人」
「……っ」
秋人の息を呑む声が聞こえる。
怖くて、秋人の反応を見るのが怖くって、秋人の顔が見れずにいた。
「ごめん。見ちゃったんだ」
「……」
「…秋人と、その、麗さんの写真」
「……」
手を繋いでいるのに、何故だか秋人の心が離れて行ってる様に感じてしまう。
それでも、秋人の顔を見る事が出来ない。
