「告白って嬉しいけど…辛いよね」


ぽつりと秋人が呟く様に言った。
秋人の顔を覗き込むように見ると、秋人は困った様に眉を下げて笑う。


「ほら、気持ちに応えられないと…断らなきゃいけなくて。
泣きそうな顔を見る度に、辛いなって思うんだ」

「……」

「それなら告白なんかして欲しくないって、そう思うけど。
それも寂しいんだよね。
俺って必要とされてないのかなって」

「……」

「だけど、告白されてまた同じ様に思うんだ。
その繰り返し。俺って」

「……秋人」

「女の子の事は大好きなんだけどさ、付き合うとかってなると別問題。
彼女になった子はたくさんいるけど、好きになった子なんていなかったな」

「……」


秋人が余りにも辛そうに話すから、私は何も言えなかった。


秋人の心の中には、ずっと。


たった一人だけが住み付いていて。


その人だけが、秋人を本当の意味で笑わせる事が出来るのに。



その人は、他の人が好きだって言うんだ。