そう決めた私は携帯をベッドに置く。
携帯が震えるのを気付いてるけど、気付いてない振りしながら私は勉強を始める。


それから、ご飯を食べてお風呂に入って、さあ、寝ようって時にやっと携帯を確認した。
案の定、秋人からのLINE。


【愛ちゃん。涙】
【明日出かけるよね?行くよね?】
【愛ちゃーーん】


私は【行くよ。おやすみ】とだけ書いて、布団に潜り込むと眠りに就いた。


翌朝。
家を出たら、目の前に秋人がいて私は面食らった。


「おはよ」

「おはよじゃない。待ち合わせしてるでしょ」

「だって、昨日愛ちゃん冷たかったから」

「だってじゃない。うわ、やっぱ冷たい」


秋人の手を取ると、ひんやりとしてこっちまで震えて来る。


「へへ。愛ちゃんの手、あったかあい」


頼りなさげに微笑む秋人に、ぎゅうっと胸が締め付けられる。