LOVE School Life Ⅰ【完結】


「どこにいるんだろうね?俺、新ちゃんに電話するわ」


そうやって、秋人は携帯を出すと結城に電話をかけている。
秋人の肩で揺れている私のカバン。


「あ、新ちゃん?どこ?え?静かにって、いや。
…清ちゃん?うん、うん。わかった」


通話を終えてから、秋人は携帯をポケットに入れながら私を見る。


「駅前辺りにいるらしいよ。
どうやら店は特定したっぽい」

「そっか」

「愛ちゃん、本当にどうしたの?
…どっか具合悪い?行くのやめる?」

「あ、え?いや、ううん、大丈夫」


心配そうに顔を覗きこむ秋人。
誤魔化す為に大袈裟に手を振って見せるが、秋人はイマイチ信用していない。


「どうしたの?」

「何もないよ」

「…うーそ。何かあったでしょ。
俺には言えない?」

「………」


秋人。あんたにだけは言えない。
…言っていいのか、わからない。