その時、外でドタドタと歩く音がして私は慌ててその写真をアルバムに挟んで引き出しに戻した。
それからすぐにさっきいた場所に座る。


ギリギリ間に合った。

足音の犯人は、秋人かと思ってたら。

…麗さんだった。



「あれ?愛じゃん。秋人は?」

「えっと、さっき、誰かに呼ばれて…」

「……ああ、ちっ」


舌打ち!?
顔を歪ませた麗さんだったけど、すぐに眉を下げると私に申し訳なさそうに言った。


「悪いな、秋人すぐ連れて来るから」


あ、舌打ちは連れてった人にしてたのか。
そんな急いでもなかったけど、まあ、一人だと確かに暇ではあったかな。


それに。
さっきの写真の意味も考えそうだったし。


麗さんは襖を閉めると、ドタドタとまた歩いて行く。


一気に現実に戻されたな。

……まだ心臓がドキドキいってる。


あ、手。
震えてるわ。


さっきの写真。
秋人のアルバムから落ちた写真。

それは真ん中から一度破られていて。
だけど、セロハンテープで直されて補強されていた。


…そこに写ってたのは。