二人はいそいそと部屋を出て行こうとする。
結城が急にぴたっと止まると、私の方を振り向き
「あっきーの部屋、エロ本あるかなって勝手に色々見ちゃダメだからね!」
そうやってビシっと私を指差しながら言った。
「……エロ本って」
思わず苦笑するけど、結城は再度わかった!?と念を押してくるから何度も頷いた。
二人を見送ると、急にシンとなる部屋。
静かだな。
……こんな静かな中、毎日過ごしてるってどんな気持ちなんだろう。
自分の家だったら、母親がリビングで皿洗いしてる音とか。
父親がテレビつけてる音とか。
外を走る自動車の音とか。
…そう言うのが、ここでは聞こえない。
カコーンと鳴る獅子落としの音が定期的に聞こえるだけ。
何か、アルバムとかないかなあ。
エロ本とかは見つけたくないけど、秋人の昔の写真とかなら興味ある。
髪の毛青かったらしいし。
結構、これが見たいのかも。
色々見ちゃダメだって言われたけど、エロ本探すわけじゃないし。
いいよね…?



