LOVE School Life Ⅰ【完結】


「ねえ、ラブ、聞いてる?」

「…えっ?」


上の空だったらしい私に訝しげな顔で、結城は下から覗きこんでくる。
その距離が思ってた以上に近くて、顔をしかめた。


「全然ラブ聞いてないんだもん。
俺寂しかったー」

「ああ、うん。ごめん、で、何?」

「今日の話!」

「それで?」

「ラーブー、全く聞いてなかったのか!」


それから、瞬の前だというのに事細かに今日の説明を始める結城。
どうやら、瞬が出かけた後に付いて行くだけらしい。

変装しないとまずくない?って言う議論が今。


…私的に、うるさいだろうから即バレると思う。
変装して様が、してまいが。


瞬はぐっすり眠ってるらしく、寝息だけ立てて気持ちよさそうだ。
ムカつく程に。


「秋人さん」


急に襖の奥から、そう声がして私達はシンとなった。
秋人はベッドに座って壁にもたれかかっていたけど、体を起こすと返事をする。


「はい」

「お話があるんですけど、今よろしくて」

「…わかりました」


秋人は顔を強張らせると、立ちあがって襖へと向かって行く。