LOVE School Life Ⅰ【完結】

「師匠、何かあったら教えてください!!」

「……な、何も教えられることなんて…」

「愛に声かけてよかった!ねー!」

私の話なんか聞かずに有紗がそうにっこり笑うから、私はもう絶対処女ということを言えないと思った。


…話が変な方向にいってる。
向かっている。


チャイムが鳴って、それから私達は慌てて教室に戻った。

だけど、私はもう授業どころではなかった。


女の子達と仲良くできることが嬉しいと思ったけど…もう、これは。

…やっぱり最低最悪だ。
これは全て後ろの結城と本間の所為だ。


そうだ。
奴らがいなければもっと、普通なスクールライフを送れたかもしれないのに。


私は自分がはっきり言わなかった所為なのに、論点をそこへとすり替えていた。



「ねえ、ラブ、ラブ」


後ろから聞こえるそんな声なんて、今の私の耳に入るわけなく。
私は頭を抱えて、ノートの横線を上から順に数えていた。


現実逃避というモノでしょう、これはきっと。